
ワイズコンサルティング グループは、台湾の機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2025年11月第3週号を発行いたしました。本号では、台湾の半導体、電子、PCB、産業機械、精密機械などの産業界および企業の最新動向が分析されています。
シリコンフォトニクス・CPO開発における台湾の主導
次世代AIデータセンターの高速化と省電力化の鍵となるシリコンフォトニクス(SiPh)およびCPO(コパッケージド・オプティクス)の開発において、台湾メーカーが主導的な役割を担っています。TSMC、鴻海傘下の訊芯科技、波若威科技、上詮光繊通信といった企業群は、エヌビディアやブロードコムと連携し、技術開発を加速させています。
TSMCはCPOサプライヤーの選定を進めており、関連部品・設備メーカーも現在、検証段階に入っていると報じられています。CPO技術はAIサーバーのみならず、自動運転や航空宇宙分野への応用も期待されています。
台湾半導体産業の50年の軌跡
1970年代の科学園区構想を起点に、TSMC、UMC、メディアテックといった企業が誕生し、台湾の成長を牽引してきました。現在、世界のノートPCの約8割、サーバーの約9割が台湾メーカーによって生産されており、AIサーバー分野ではほぼ独占的な地位を築いています。2024年には半導体輸出額が1,650億米ドルを突破し、台湾は世界首位の半導体輸出国となりました。
精成科技、日本企業買収でAI・半導体分野に参入
プリント基板大手の精成科技(GBM)は、日本のリンクステックを397億円で買収し、AIサーバー向け高多層基板やHBM検査用基板市場への参入を果たしました。買収後は文化的な違いを考慮した段階的な統合が進められ、日台の協働体制により顧客対応が強化されています。この買収により、連結売上高は前年比で大幅に増加し、AI向け受注は2027年上半期まで確保されているとのことです。
専用機械設備製造業、AI商機により12%成長
2025年1月から8月までの台湾専用機械設備製造業の販売額は、前年同期比で12.1%増の2,364億元を記録しました。特に電子・半導体設備分野が20%増と好調を示しています。主要メーカーでは、京鼎精密科技(fiti)がTSMC・ASML向け受注により34%の増収を達成し、家登精密工業(Gudeng)はウエハー輸送容器の販売が堅調に推移しています。AI分野への設備投資の波が、機械産業全体を押し上げる要因となっています。
「ワイズ機械業界ジャーナル」について

「ワイズ機械業界ジャーナル」は、台湾の機械業界に特化した日本語情報誌です。半導体設備、電子材料・部品、工作機械、機械設備、機械制御装置、手工具、動力工具、ねじ・ナット・リベット、ファスナー、金型、自動車、航空宇宙、自動化・ロボット、再生エネルギーといった多岐にわたる分野の最新情報が満載です。
業界トレンド、企業動向、統計資料、法改正情報など、多種多様な情報が網羅されており、豊富な写真と図表を用いた読みやすいPDF形式で提供されます。また、ホームページの記事データベースからは、過去記事の検索も可能です。
新刊ハイライトの詳細は以下のリンクよりご確認いただけます。
https://www.ys-consulting.com.tw/research/125390.html
