台湾ODMの成功事例・関連ニュースをまとめてみた

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台湾のODM企業は「設計力 × 品質 × 柔軟性」を兼ね備え、日本企業にとって非常に相性の良いパートナーといえます。
では、実際にどのような企業が成功しているのでしょうか。

ここでは、近年ニュースで取り上げられた台湾ODM企業の成功事例と、日本企業との協業の動きをいくつか紹介します。

■ 事例①:Foxconn(鴻海) — AIサーバーとEVで新境地を開く

世界最大の受託製造企業として知られるFoxconn(鴻海精密工業)は、スマートフォン製造の枠を超え、AIサーバーや電気自動車(EV)といった次世代分野への転換を進めています。
2025年の報道によれば、AIサーバー関連の収益が従来のスマートフォンを上回るまでに成長しており、ODM/設計受託モデルの成功例として高く評価されています。

さらに、Foxconnは日本の三菱自動車とも提携し、EV製造の受託契約を結んだと報じられました。
これは単なる製造ではなく、設計と開発支援も含む「CDMS(Contract Design & Manufacturing Service)」という形態であり、
まさにODM的な共創モデルといえます。
この事例は、台湾企業の「設計から量産まで支える力」が日本のモビリティ分野でも評価され始めている証です。

 

■ 事例②:AIFA Technology — ODMから自社ブランドへ成長

台湾・高雄のAIFA Technologyは、もともとリモコンやスマート家電のODM企業としてスタートしました。
その後、自社ブランド「i-Ctrl」を立ち上げ、スマートホーム分野へと進出。
台湾Excellence AwardやGerman Design Awardを受賞し、ODM企業が自社ブランドで世界市場に挑む成功例として注目されています。

日本市場でも、AIFA製品は一部の家電メーカーのOEM品として採用されており、
「ODMとしての開発力」と「ブランド力」を両立させる戦略が評価されています。

 

■ 事例③:日本企業との協業拡大 — コスメ・ドローン・EV分野へ

日本企業との協業も進んでいます。
たとえば、日本の化粧品メーカーコスメティック・アイーダは、台湾の大手化粧品ODM企業太和生技(Taiho Biotech)と提携し、
共同で製品開発・処方研究を行っています。
台湾のODMが持つ開発力・品質保証体制が日本のブランド戦略と融合し、
東アジア市場全体での展開が加速しています。

また、2025年には日本と台湾がドローン産業の供給網連携に関するMOU(覚書)を締結しました。
これにより、今後は日本企業のドローン開発に台湾のODM技術が活用される可能性も高まっています。
特に半導体・通信・制御システムなどの分野で、台湾企業の技術支援は大きな価値を持ちます。

成功事例に共通するポイント

これらの事例に共通するキーワードは、「開発段階からの協働」です。
単に製造を委託するのではなく、設計・試作・改良の段階でパートナーと意見を交わしながら、
高品質かつ差別化された製品を生み出す共創型の関係が築かれています。

台湾ODMとの協業は、
「安く作るため」ではなく「より良いものを共に作るため」のパートナーシップへと進化しているのです。

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